建築学生の編入試験体験記

こんにちは。

今回は、自分が受験した編入試験についてまとめてみました。

勉強した内容ややり方、失敗したことなど書いたので、数少ない建築学生の編入試験体験談として読んでいただければ嬉しいです。

 

 

 

 

私の詳細

併願状況

国立大学を2校と私立大学を1校受けました。 

 結果:国立1校合格、私立1校合格(国立1校結果待ち→合格しました!)

高専での学力や実績

私は高専に通っていて、入学当初から大学編入を目指していました。なので、高専での席次は常に上位5%、平均点92くらいでした。その他、英語のプレコンに参加したり、建築のコンペに作品を出したり、資格もそれなりに取っています。(数検2級など)

ただ、編入試験は受験する大学によって評価するところが違いますし、学校での席次はあまり関係ないので、そんなに参考にしなくてもいいと思います。

 

私が編入試験の受験を決めた理由

高専建築学生の多くは、就職を選んでいると思います。実際、建築学社会工学に分類されるように、社会の情勢や実態が大きく関係します。なので早めの就職も建築学を学ぶ上ではありだと思います。

ただ、大学へ編入すれば、高専で見えなかったより広い視野で建築学を学ぶことができますし、修士課程や博士課程を経て研究職や開発に携われる可能性もあります。

私の場合は、どうしても現代の建築に関する研究や、建築設備の開発が行いたかったので大学編入を決めました。

 

受験からその後まで

受験までの準備・勉強

建築学生は他の学部や学科に比べて製図や模型など課題が多いと思います。私も実際課題が多くて勉強になかなか時間を当てれませんでした。私が受験大学を確定したのが4年生の冬だったので、「選ぶのが遅かったな」と感じています。なので、3年までには大学のホームページや資料を読んで大体の目星をつけた方がいいと思います(私は希望する研究室で探しました)。そして、4年の夏までには大学を決定して対策を始めれば、ある程度余裕があったかなと思います。

以下から、各教科別にまとめています。(私みたいにいろいろな科目受けるよりも、ある程度得意な科目で受験できる大学で絞った方がよかったかもしれません...)

数学

数学は分野が多いので、まずは各大学の過去問を2周して傾向を読みました。個人的に多いと感じるのは、線形代数微分積分です。それから、森北出版の大学編入試験問題数学/徹底演習を1周して、過去問の傾向で出ている問題は2周しました。加えて、学校の教科書についている問題や友人の持っている別の参考書の問題などを解いた感じです。一緒に過去問を解いてくれた友人には本当に感謝しています...

数学はケアレスミスが命取りなので、丁寧に解くことを心掛けていました。見直しも重要なので、5分考えて解けなかったら次にいく、みたいに時間調節もしていました。

物理

詳解の物理学演習をひたすら解いてました。特に自分は電磁気が苦手だったので、学校の電磁気を専門としている先生に補講を頼んだり、友人に教えてもらったりと、他者に教えてもらうことが多かったと思います。物理はある程度、問題の状況を把握する力がいるので、色々解いて慣れるしかないかなと感じました。

ただやはり受験勉強最後は解ける問題が来るか否かになっていたので、他の演習本とかもやるべきだったかなと感じます。

化学

正直1番大変でした。私の場合、高専のカリキュラムだけでは編入試験の範囲を網羅できなかったので、まず数研出版編集部の2021実戦 化学重要問題集 化学基礎・化学を1周しました。そして過去問の傾向で出ている問題は2周して、わからなければ学校の先生に聞いたりしていました。化学も分野が多いので、ある程度山を張った感じですね。

建築学生は化学とほぼ無縁かもしれませんが、建築材料などでたまに応用できたりします。

英語・TOEIC

英語は一番重要です。受験が終わってもこれだけは勉強した方がいいと言われるくらいなので、他科目より結構時間をかけて勉強しました。TOEICは公式問題集を2周、銀フレ3周以上、その他文法特急を5周以上とか色々やりました。私は英語のリーディングが苦手なので、文法や英単語を隙間時間に頑張って覚えましたね(いい思い出)。そしてこれだけすれば、入試英語は大丈夫かな、と思い簡単な高校英語の参考書を1冊解いただけでした。

しかし入試英語をまじめに受けるなら、もっと入試英語に特化した勉強をするべきだったと感じています。長文読解や英作文などそれぞれで参考書一冊くらいはやっとくべきだったなと思います。

小論文

800字以上の小論文を10枚以上は書きました。ただ、レポートなどで文章を書くことには慣れていたので、そんなにこれに時間は割かなかったと思います。各大学の過去問のお題について書いたり、現代の情勢に関するお題を自作して書いて、先生に軽く読んでもらう程度でした。

専門

建築に関する問題は様々です。なので、これも過去問を入手して受ける大学の傾向をみて勉強していました。構造力学などの計算は教科書の問題を一通り解き、環境・計画系などは単語帳を使ってがっつり暗記しました。

大学によっては、デッサンや設計製図などを実施するところもありますが、この辺りは本当に経験です。他の科目に比べれば楽しい分野だと思うので、たくさん練習することが大事だと思います。

(ちなみに私は専門の口頭試問も受けましたが、がっつり構造力学の問題や計画に関する知識など問われたので、筆記の問題とさほど変わりませんでした。)

面接

正直に言うと、あまり練習していません。一応聞かれるかもしれない質問を一通り箇条書きにして、それに対する返答を準備していました(志望動機や行きたい研究室など)。そして一回だけ面接練習をして、あとはぶっつけ本番で臨みました。

 

受験当日までを通しての反省

とにかく勉強量が足りなかった...(泣)。隙間時間を使った勉強はよかったのですが、ほとんどの科目で3周できていないので、最低3周はするべきだったと感じています。

また、勉強する科目が多かったのもありますが、どの教科を優先的に勉強するかの計画もうまく立てれていなかったので、あらかじめ予定を立てておけばよかったとも感じています。

 

受験当日

特急の電車で行きました。夏だったので一貫してクールビズのスーツでしたが、筆記だけの日は周りが私服一色、面接がある日は周りがジャケットまできたスーツ一色だったので泣きそうでした...。試験時間には余裕をもって30分前には行きましたが、私より早い人も全然いました。

試験時間までは参考書の忘れやすい箇所を見直して勉強していましたが、そこまで詰めないようにもしていました。できる限りリラックスを心掛けていたと思います。

お昼はお弁当を食べていましたが、正直きりきりしたお腹には入れずらかったので、軽い軽食程度で済ませるのがよかったかなと感じています。

 

試験を受けた感想

数学はほぼ解けたと思います。過去問の傾向にそった問題が多かったので助かりました。物理は電磁気がボロボロで、5割ほど。化学は過去の傾向と全く違う問題を出してきたので撃沈しました。専門は7割くらい解けたと思います。面接は質問を箇条書きにしていたおかげでほぼ答えれました。しいて言えば、「なぜ建築学を学ぼうと思ったのですか」という質問に、「一番は親の影響で...」と建築の魅力を最初に言えなかったことが心残りです。あとは試験官が9人(建築学部の教授全員)いたときはびっくりしました。

 

最後に

合格は本当にうれしかったです。高専1年から決めていたことなどで、やっと現実になると思うと信じられません。

建築学生として生活するのは苦労の連続だと思いますが、その分、達成感を感じれる分野でもあります。編入試験の勉強も同じ達成感を味わえるので、できる限り計画的に、楽しく行えるといいと思います。みっちり勉強を詰めるのも大事だと思いますが、無理をしすぎるのも逆にコンディションを悪くしてしまいます。今は必要のない知識もいつかは役に立つといいます。できるだけ前向きに、苦手からも逃げずに、目指してほしいと思います。そして、私は本当に多くの人にお世話になりました。この場を借りて感謝を。ありがとうございました!

 

 

「創造とは、逆境の中でこそ見出されるもの」

ルイス・カーン